○大島地区消防組合救急業務規程
平成28年2月16日
大島地区消防組合訓令第2号
大島地区消防組合救急業務規程(平成22年大島地区消防組合訓令第5号)の全部を改正する。
第1章 通則
(目的)
第1条 この規程は,大島地区消防組合救急業務に関する規則(平成元年大島地区消防組合規則第11号)第4条の規定に基づき,救急業務の実施について必要な事項を定め,救急業務の能率的な運営を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において,「救急業務」とは消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第2条第9項に規定する業務をいう。
(救急隊の編成)
第3条 救急隊は,1隊につき分隊長,機関員及び救急員(以下「救急隊員」という。)を置き,救急自動車1台をもって編成するものとする。ただし,消防長又は署長,消防分署長及び消防分駐所長(以下「署長等」という。)は,災害の状況により特に必要と認めるときは,救急隊以外の消防隊に救急業務を行わせることができる。
(救急隊の名称,配置及び出場区域)
第4条 救急隊は,名瀬消防署,瀬戸内,喜界,笠利,龍郷消防分署,住用,大和,宇検,加計呂麻消防分駐所(以下「署所」という。)に配置し,出場区域は,原則としてそれぞれの救急隊が所属する署所の管轄区域とする。
2 救急隊は,消防長又は署長等が特に必要と認めたときは,前項の規定にかかわらず,管轄区域外出場するものとする。
(救急隊員の資格)
第5条 救急隊員は,救急救命士(救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士をいう。以下同じ。)又は都道府県知事が行う救急業務に関する講習の課程を修了した消防職員若しくは消防長又は署長等が救急を実施するために必要な学識経験を有すると認めた消防職員でなければならない。
2 署長等は,救急隊員に事故あるときの代行者を,前項に準じてあらかじめ指定しておかなければならない。
(救急分隊長)
第6条 救急分隊長(以下「分隊長」という。)は,救急隊員の資格を有する消防副士長以上をもって充てる。
(分隊長の任務)
第7条 分隊長は,署長等の命を受けて救急業務に従事し,当該業務が円滑に行うよう隊員を指揮監督するとともに,関係事務の処理,簿冊の整理保存及び機械器具の整備保管について責任を負うものとする。
2 分隊長が欠けたとき又は事故あるときは,上級階級の者が職務を代行するものとする。
(救急隊員の心得)
第8条 救急隊員は,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 救急業務の特性を自覚し,常に身体及び着衣の清潔保持に留意すること。
(2) 傷病者の取扱いに当たっては,懇切丁寧を旨とし,傷病者に羞恥又は不快の念を抱かせないよう言動に留意すること。
(3) 応急処置に際し,過誤のないよう,常に救急技術の練磨に努めること。
(4) 救急器材の保全に留意するとともに,使用については適正を期すること。
(救急隊交替要員について)
第9条 救急事故が特に多い地域又は日においては,救急隊員の労務管理を確保するために,代替要員を確保するよう努めること。
(救急隊の装備)
第10条 救急隊に救急自動車のほか,別表に定める救急器具及び材料を備えるものとする。
(救急隊の服装)
第11条 救急隊員は,救急業務に従事する場合は,救急服又は感染防護衣及び保安帽等を着用しなければならない。
(救急業務計画)
第12条 消防長又は署長等は,特殊な救急事故の発生した場合における救急業務の実施計画を作成し,毎年1回以上その計画に基づく訓練を行うものとする。
(訓練)
第13条 分隊長は,隊員に対し,救急業務を行うに必要な学術及び技能の習得をさせ,併せて迅速的確な救急訓練を随時実施させなければならない。
2 前項の救急訓練とは,災害又は事故発生時における傷病者の救出及び火傷,ガス中毒,感電,出血その他傷病者への応急処置訓練をいう。
(医療機関との連絡)
第14条 署長等は,管轄区域内の医療機関と救急業務について常に情報を交換し,緊密な連絡を行うものとする。
第2章 救急活動
(出場)
第15条 署長等は,救急出場の要請を受けた場合又は災害により傷病者の発生が予測される場合若しくは,救急事故が発生したことを覚知した場合,管轄区域の救急隊を出場させなければならない。
2 分隊長は,救急隊の出場できない理由が生じたときは,速やかにその旨を消防長又は署長等に報告しなければならない。
(現場指揮)
第16条 現場における救急業務の指揮は,分隊長が行う。ただし,他隊が複数隊で同一現場に出場する場合の指揮は,原則として上級階級にある者が行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず,管轄外の活動の指揮は,災害発生地の所轄署長等又は消防長が特に命じる者が行うものとする。
(現場要務)
第17条 救急隊員は,現場到着と同時に必要に応じて応急処置を施し,傷病者を所定の医療機関,その他の場所又はその傷病者若しくはその関係者の希望する医療機関へ搬送しなければならない。
2 救急隊員は,傷病者の傷病程度が軽症で搬送の必要がないと認めるときは,応急処置のみにとどめることができる。
3 救急隊員は,傷病者を搬送することが傷病の程度を悪化させ,又は生命に重大な影響を及ぼすと認めるときは,医師に診断を依頼し,その結果により行動するものとする。
(搬送を拒んだ者の取扱い)
第18条 救急隊員は,救急業務の実施に際し,傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は,これを搬送しないものとする。
(死亡者の取扱い)
第19条 救急隊員は,現場到着時において,傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると判断した場合は,これを搬送しないものとする。
2 分隊長は,傷病者が災害又は事故現場若しくは搬送途中において死亡したときは,必要に応じ所轄警察署長に通報しなければならない。
(関係者の同乗)
第20条 救急隊員は,救急業務の実施に際し,傷病者の関係者又は警察官が同乗を求めたときは,努めてこれに応ずるものとする。
(警察署長への通報及び証拠の保全)
第21条 救急隊員は,傷病の原因に犯罪の疑いがあるものその他必要と認めるときは,速やかに所轄警察署長に通報するとともに,証拠の保全に留意しなければならない。
(家族等への連絡)
第22条 救急隊員は,傷病者の傷病の状況により,必要があると認めるときは,当該傷病者の家族に対し,傷病の程度及び状況等を連絡するよう努めなければならない。
(感染症と疑われる者の取扱い)
第23条 分隊長は,傷病者が,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に規定する感染症の患者,疑似症患者及び無症状病原体保有者のうち,次の各号のいずれかに該当する患者(以下「感染症患者等」という。)である場合は,搬送しないものとする。ただし,当該感染症患者等が生命に危険があるなど,緊急に医療機関(他の医療機関への転院を含む。)に搬送する必要がある場合には,この限りでない。
(1) 一類感染症の患者(擬似症患者及び無症状病原体保有者を含む。)
(2) 二類感染症の患者(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令(平成10年政令第420号)で規定する疑似症患者を含む。)
(3) 指定感染症の患者(擬似症患者及び無症状病原体保有者を含む。)
(4) 新感染症(新感染症の所見がある者を含む。)
(5) 新型インフルエンザ等感染症(擬似症患者及び無症状病原体保有者を含む。)
2 分隊長は,感染症患者等及び感染症患者等と疑われる傷病者を搬送した場合は,直ちに隊員及び救急自動車等に対し,所定の消毒を行い,その旨を署長等に報告するとともに,当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し,所要の措置を講じるものとする。
(要保護者の取扱い)
第25条 分隊長は,傷病者が生活保護法(昭和25年法律第144号)に規定する被保護者又は要保護者(この条において,「要保護者」という。)であると認められる場合は,その旨を署長等に報告するとともに,当該傷病者の居住地(居住地不明又は管轄区域外に居住する者については事故発生地)を所管する関係機関等に要保護者搬送通知書(別記第2号様式)により,通知するものとする。
(出場中の事故)
第26条 分隊長は,出場中の交通事故,車両故障その他の事由により,救急業務の遂行が不能になったときは,速やかにその概要を署長等に報告しなければならない。
(隊員以外の職員の招集及び出場)
第27条 署長等は,災害又は傷病者の状況により,特に必要と認めるときは,隊員以外の消防職員及び休日又は非番等の消防職員を招集して,救急業務に従事させることができる。
(救急自動車以外の自動車の使用)
第28条 署長等は,前2条の場合において,特に必要があると認めるときは,救急自動車以外の自動車を救急業務に使用させることができる。
第3章 多数傷病者事故
(多数傷病者対応)
第29条 救急隊1隊では対応できない傷病者数が発生し,又は発生することが予想される事故等(以下「多数傷病者事故等」という。)の通報を受理した通信員は,当該事故等の発生原因,現場の状況及び傷病者の状況等詳細な情報の入手に努め,災害対応で大島地区消防組合消防通信規程(平成23年大島地区消防組合訓令第4号)第8条の規定に基づき,適切な出場指令を期さなければならない。
(関係機関等への連絡)
第30条 多数傷病者事故等発生の通報を受理した通信員は,直ちにその旨を署長等に報告するとともに,状況に応じて関係機関へ連絡を行い,早期に協力体制を整えるものとする。
2 前項における「関係機関」とは,市町村(総務担当課及び保健予防担当課),警察署,市郡医師会,救急告示医療機関等,ガス会社,電力会社,海上保安部その他事故等に関係のある者をいう。
(救急指揮隊)
第31条 多数傷病者事故等の報告を受けた署長等は,当該多数傷病者事故等が発生した日に勤務に当たる救急隊及び必要消防隊を出場させるとともに,消防長に報告し,救急指揮隊を編成しなければならない。
(特別救急隊の編成)
第32条 特別救急隊は,救急分隊及び救急予備分隊並びに救助分隊及び消防車両分隊を総称し,その編成は次のとおりとする。
(1) 救急分隊及び救急予備分隊は,3名以上の消防職員で編成する。
(2) 救助分隊及び消防車両分隊は,4名以上の消防職員で編成する。
2 特別救急隊の補充要員には,本部職員及び非番等の職員を充てるものとする。
(職員の招集方法)
第33条 非常招集命令の伝達方法は,大島地区消防組合消防警備規程(平成27年大島地区消防組合訓令第1号)に規定する防災行政無線放送,電話又はメール等をもって行うものとする。
2 多数傷病者事故等が発生した現場(以下この章において単に「現場」という。)の状況によっては,消防団員の一部を同じく招集し,特命支援活動に充てる。
(救急現場指揮所)
第34条 救急現場活動の指揮統制を円滑にするため,現場の近くに救急現場指揮所を設置し,消防長又は救急指揮隊は,関係機関の責任者と協議連携して指揮するものとする。
2 救急現場指揮所には,連絡員及び調整員等を配置するものとする。
(医師等の要請)
第35条 現場へ先着した救急分隊長等の状況判断により医療機関からの医師及び看護師等で構成する医療班(以下「医療班」という。)の現場派遣要請を受けた通信員は,直ちにその旨を消防長等に報告し,指示を受けて救急告示医療機関等へ連絡して,医療班の現場派遣を要請するものとする。
2 現場の状況によっては,最寄りの医療機関の医師の同乗を求め,早期に現場における救急医療の確保に努めなければならない。
(救急医薬品等の調達)
第36条 救急現場指揮所は,必要に応じて,大型輸送車両及び救急材料等を速やかに調達しなければならない。
(傷病者の分類と搬送)
第37条 救急隊は,現場において,医師による傷病者の重症度分類に協力して搬送の優先順位を決め,緊急度が高く,かつ,救命の見込みのある傷病者から搬送するものとする。
2 応急処置を的確に施し,必要がある場合には,搬送中における救急医療の確保を図るものとする。
3 通信指令員は,医療機関等に医師及び収容病床等の状況を問い合わせ,随時その情報を救急隊等へ提供するものとする。
4 重症度分類の実施等の重複を避けるため,傷病者には,トリアージタッグ(別記第3号様式)を付けるものとする。
5 傷病者の傷病の程度,医療機関の収容能力などを考慮の上,不均衡にならないよう分散して迅速な搬送を行い,傷病者の治療の適正を図るものとする。
(応急救護所)
第38条 短時間で傷病者を医療機関へ搬送することが困難な場合は,現場近くの所有者等に応急救護所として使用する旨の要請し,応急救護所を設置するものとする。
(警戒区域)
第39条 現場における混雑を避け,迅速な救急活動を行うため,警察に現場周辺の道路の交通規制を確立するよう要請し,関係者以外の者の現場への出入りを禁止するなどの措置を講じるものとする。
(二次災害の防止)
第40条 救急現場指揮所は,現場における交通の混雑及び群集等による二次災害の防止については,十分留意しなければならない。
(死者の取扱い)
第41条 救急現場指揮所は,死者の取扱いについては,隊員を指名して管理班を編成し,医師及び警察官と緊密な連絡をとり,慎重に取扱わなければならない。
(調査,公表及び報告)
第42条 救急現場指揮所は,各医療機関別の傷病者収容等の状況を収容先調査表(別記第4号様式)により調査し,これを取りまとめたものを公表し,報道関係者等への便を図るものとする。
2 救急速報等の処理は,第4章報告の規定による。
(家族等への連絡)
第43条 傷病者の家族の居所又は傷病者本人の勤務先等が判明したときは,収容先等を連絡するものとする。
(訓練)
第44条 署長等は,多数傷病者事故等の発生した場合における円滑な救急活動のため,年1回以上計画的に訓練を実施するものとする。
第4章 報告
(救急報告)
第45条 分隊長は,傷病者を医療機関又はその他の場所へ搬送して帰署したときは,速やかに処理の概要を署長等に報告するとともに,救急出場報告書(別記第5号様式)を提出しなければならない。
(1) 死者5人以上の救急事故
(2) 死者及び負傷者の合計が15人以上の救急事故
(3) 要救助者が5人以上の救助事故
(4) 覚知から救助完了までの所要時間が5時間以上を要した救助事故
(5) その他社会的影響度が高い救急事故及び救助事故
4 前3項に定めるもののほか,救急事故等の報告について必要な事項は,「救急事故報告要領の制定について」の定めるところによる。
(救急月報)
第46条 署長等は,毎月の救急出場状況を救急月報により,翌月5日までに消防長に報告しなければならない。
(管外移送報告)
第47条 署長等は,大島地区管外へ移送及び大島地区管外から受け入れた傷病者を搬送した場合には,消防長に救急傷病者管外移送報告書(別記第7号様式)により,報告しなければならない。
第5章 救急救命処置
(指示要請)
第48条 救急救命士は救急救命士法(平成3年法律第36号)第43条第1項に規定する救急救命処置を行うときは,オンラインで指示要請医療機関(以下この条において同じ。)へ状況等を報告し,許可をもらうこととする。
(1) 県立大島病院 救命救急センター
(2) メディカルコントロール委託契約している医療機関
(救急救命処置)
第49条 救急救命士は,救急救命処置を実施する場合は,「大島地域MC救急活動プロトコール」のプロトコールを遵守しなければならない。
(救急救命処置録)
第50条 救急救命士は,救急救命処置を実施したときは,救急救命士法第46条の規定に基づき,救急救命処置録(別記第8号様式)に記載し,同条第2項の規定に基づき,5年間保存しなければならない。
第6章 救急自動車及び救急資器材等の管理
(消毒)
第51条 分隊長は,救急自動車及び救急器材について,次の各号に定める方法により,消毒を行い,常に衛生保持に努めなければならない。
(1) 定期消毒(毎月1回)
(2) 使用後消毒(使用後,必要に応じて)
(医療資器材管理)
第52条 医療資器材に医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律145号)に定められた処方箋医薬品及び劇薬等がある場合は,医療資器材管理表(別記第9号様式)に所定事項を記入するとともに,数量及び使用期限を把握し,保管しなければならない。
2 前項に定められた医療資器材は,紛矢等がないよう十分留意しなければならない。
(救急自動車の整備)
第53条 救急自動車の整備については,自動車点検基準(昭和26年運輸省令第70号)の定めるところにより,実施しなければならない。
附則
この訓令は,平成28年4月1日から施行する。
別表(第9条関係)
観察用資器材
体温計 | 血圧計 | 聴診器 | ペンライト |
患者監視装置 | 血中酸素飽和度測定器 |
呼吸・循環管理用資器材
手動式人工呼吸器 | 自動式人工呼吸器 | 酸素吸入装置 | 各種酸素マスク |
酸素ボンベ | 電動式吸引器 | 吸引カテーテル | 経口エアウエイ |
経鼻エアウエイ | バイトブロック | 開口器 | 舌鉗子・舌圧子 |
マギール鉗子 | AED | 喉頭鏡 | ショックパンツ |
背板 | 輸液セット | 薬剤投与セット | 気管挿管セット |
自動心臓マッサージ器 |
創傷等保護用資器材
陰圧式固定具 | 梯状副子 | 頸部固定用副子 | 砂のう |
止血帯 | 三角巾 | 救急包帯 | 救急タオル包帯 |
伸縮性網包帯 | 滅菌ガーゼ | 駆血帯 | 滅菌アルミホイル |
ケッド | バッグボードシステム一式 |
保温・搬送用資器材
ストレッチャー | サブストレッチャー | 平担架 | 布担架 |
スクープストレッチャー | まくら | 毛布 | |
タオルケット | 感染防護用シート |
消毒用資器材
消毒用エタノール | 手指消毒剤 | 感染防護衣 | 殺菌ロッカー |
シール機 | 噴霧消毒器 | 手指消毒器 | ゴム手袋 |
靴カバー | 感染防護用マスク | ゴーグル |
その他の救急用資器材
万能ハンマー | リングカッター | ピンセット | 臍帯クリップ |
臍帯はさみ | 懐中電灯 | 救命胴衣 | 救命浮環 |
無線機 | 万能はさみ | トリアージタッグ | その他必要資器材 |