○大島地区消防組合救急活動等感染防止対策要綱
平成31年1月1日
大島地区消防組合告示第9号
(目的)
第1条 この要綱は,救急活動等を遂行する上で必要な血液感染症予防策,血液曝露事故における初動対策,その他の感染対策等について必要な事項を定めることにより,感染防止対策の確立を図ることを目的とする。
2 血液感染症とは,HBV感染症(B型肝炎),HCV感染症(C型肝炎),HIV感染症(後天性免疫不全症候群:AIDS),梅毒等をいう。
3 血液曝露事故とは,主に傷病者に使用した針による針刺し事故,又は傷病者の血液等が刺し傷や切創など健康な皮膚が破綻した部分に付着若しくは目や口などの粘膜に付着した事故をいう。
(感染予防)
第2条 標準予防策は,普遍的予防策と生体物質隔離予防策の両方の考えをひとつにまとめた予防策であり,病原体の伝播においてその危険を減少させるために行う。
2 傷病者の病気に関係なく全ての傷病者の血液及び体液等の分泌物,排泄物等(以下「血液等」という。),傷のある皮膚及び粘膜へ直接接触又は付着した物との接触が予想されるときに手袋,マスク,感染防止衣,ゴーグル等の感染防護物を使用し,さらに手洗いを励行する。
(活動原則)
第3条 救急活動等の実施に当たっては,傷病者の血液等への直接接触を避けて活動し,救急活動等遂行中に手指等に創傷をつくることのないよう配慮する。
2 次の場合には,ディスポーザブルの手袋(以下「手袋」という。)を着装することとするが,手袋の使用は絶対的な防御策ではないことを念頭に使用する。
(1) 活動時,特に血液等に触れる場合
(2) 手袋が汚染された場合
(3) 車内の物に触れる場合
(4) 交通外傷現場等で活動する場合
(5) 吐物,汚染処理を実施する場合
(6) その他必要と認められる場合
3 次の場合には,サージカルマスク又は微粒子マスクを着装する。
(1) 血液等が飛散する恐れのある場合
(2) その他必要と認められる場合
4 次の場合には,ゴーグルを着装する。
(1) 血液等が飛散する恐れのある場合
(2) その他必要と認められる場合
5 次の場合には,感染防止衣を着用する。
(1) 血液等が飛散する恐れのある場合
(2) その他必要と認められる場合
(感染経路別予防策)
第4条 感染経路予防策は,病原体が判明した後で感染性の強い病原体を持っている傷病者や,病原体が伝播する経路を断つ対策として,次の予防策を標準予防策に付加して行う。
2 接触感染予防策は人と人又は人と物が直接若しくは間接的に接触することにより病原体が移動する経路を遮断するための次の対策をいう。
(1) 標準予防策の徹底
(2) 搬送終了後は,手袋を外し石鹸等で手洗い後消毒薬を使用
(3) 使用した資器材は消毒綿等で清拭
3 飛沫感染予防策は,傷病者の咳,くしゃみ,会話等によって飛散し感染するためサージカルマスク及びゴーグル等を使用し,感染の疑いがある際には速やかに廃棄
4 空気感染予防策は,飛沫核が空気の流れにより拡散し,それを感受性のある人が吸引することによる感染症の伝播を防ぐ方法であり,現場においては微粒子マスク等を適切に使用し,病原体の数を減らし,濃厚な接触を避けるために車内等の強制換気に努め,次のことに注意する。
(1) 微粒子マスクは,接触する前から着装する必要があり,事前に正しい情報を得ることが重要
(2) 搬送時は,傷病者にサージカルマスク等を着装させ拡散を予防し,同乗者等にも微粒子マスクの着装
(3) 車内清掃では消毒薬は不要であり,2時間以上窓を開放換気し,換気中の車内入室は禁止
(消毒資器材の維持管理)
第5条 救急活動中における救急隊員等の感染防止を図る為に,滅菌・消毒に関する資器材が,活用できるようその維持管理に努める。
(針刺し事故の防止)
第6条 針刺し事故を防止するために,現場で使用した針は使用者が責任を持って専用の廃棄ボックスに捨てる。
(手指消毒)
第7条 手指消毒とは,衛生学的手洗いの実施後に速乾性擦込式手指消毒剤を用いて手指消毒することにより付着菌の増殖を妨げ,常在菌の繁殖を抑制できることから薬剤の用法等に従い,活動毎に実施する。
(うがいの励行)
第8条 うがいは,感染症が蔓延している季節や空気が乾燥している季節には,水道水やうがい薬により洗浄する。
(救急自動車等の定期消毒等)
第9条 定期消毒は,毎月1回以上実施する。
2 使用後消毒については,使用資器材等は使用毎に洗浄消毒し,清潔を保持すること。なお,手袋を着装する。
3 感染症及び疑いの傷病者を搬送した場合は,救急車内及び資器材の臨時消毒を行う。
(被服等の消毒)
第10条 活動服,毛布等に血液等が付着した場合は,速やかに交換又は洗浄を実施し,必要があれば消毒薬を用いる。
(廃棄物の処理)
第11条 救急活動等の廃棄物のうち感染症を生ずる恐れのある廃棄物は,感染性廃棄物として適正かつ安全に処理する。
(感染症傷病者の搬送報告)
第12条 一類感染症,二類感染症,指定感染症又は新感染症(疑いを含む)傷病者を搬送した場合は,保健所長並びに消防長並びに消防署長,消防分署長及び消防分駐所長(以下「署長等」という。)へ報告する。
(針刺し事故等の応急処置)
第13条 針刺し事故や切創事故が生じたり,結膜又は粘膜が血液等で汚染された場合は,次により処置する。
(1) 受傷後直ちに大量の流水で十分に洗い流し,薬用石鹸を使用してよく洗浄を行うこと。
(2) 0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に数分浸すこと。
(3) 粘膜には10%ポピドンヨード液を使用すること。
(4) その他必要な処置については病院等の指示に従うこと。
(事故後の口頭報告)
第14条 救急活動等で救急隊員に感染の恐れがある場合,口頭報告を次のとおりとする。
(1) 医療機関収容後直ちに初診医師に報告し,搬送医療機関又は指定医療機関において血液検査等を依頼すること。
(2) 当務隊長又は署長等への報告。
(3) 報告を受けた当務隊長又は署長等は,MC会長及び消防長へ報告。
(血液曝露事故の防止及び書面報告)
第15条 救急活動中に傷病者の血液等の曝露を受けた場合は,搬送医療機関又は指定された病院で傷病者の血液検査を実施するとともに,曝露事故を救急活動及び病院実習事故報告書(様式)により報告する。
2 血液暴露事故における血液検査において陽性であることが判明された場合は,経過を観察し,発症した場合は公務災害の認定を受ける。
3 事故を掌握すると同時に,公務災害の認定,事故報告の管理,事故発生からの追跡調査まで円滑に行う。
附則
1 この要綱は,平成31年1月1日から施行する。
2 救急業務に関するエイズ等感染防止対策要綱(平成元年4月1日大島地区消防組合消防本部訓令第7号)は廃止とする。